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漫画貧乏/佐藤秀峰

   

漫画貧乏漫画貧乏

text by uematsu
佐藤秀峰と言えば、『ブラックジャックによろしく』である。あ、『海猿』もあった。当時、僕はコミックモーニングを毎週読んでいたのだけれど、ある日、『ブラックジャックによろしく』が休載になったことを覚えている。休載されて、再開して、しばらくすると連載が終了した。一応、数回で一つのストーリーが終わる、というカタチなので、そこで連載が終了してもおかしくはなかった。
しかし、その後、『ブラックジャックによろしく』がモーニングからビッグコミック・スピリッツに移り『新ブラックジャックによろしく』として連載されのは、驚いた。出版社をまたいで連載が引き継がれるということは、何かあるに違いない。そして、さらにそれから数年して、モーニングに連載されていた『ブラックジャックによろしく』が突然、著作権フリーとして世に放たれたのには衝撃を受けた。これも、その「何かあるに違いない」の続きに違いない。
という一連の「なにかあるに違いない」の答えがこの『漫画貧乏』である。これも、書籍版は1296円という値段が付いているが、電子書籍版なら無料だ。そして、これを読めば、ここまでの「なにか」がすべて書かれている。
出版社とマンガ家との関係、マンガ家の収入がどのように成り立っているのか。世の中のマンガ家がどのような状況で出版社とやりとりをしているのか。モーニングの編集部に不信を抱いた後の佐藤秀峰の行動は、とても真摯でわかりやすい。ある意味とても素直な行動だと言える。もちろん、このややこしい世の中で、素直な行動が取れる人が目の前にいることは、とてもややこしい状況を引き起こすことが多い。佐藤も周囲からややこしい人間として、ブラックリストに載せられているに違いない。違いないけれど、素直に行動する人間からしか、新しい状況は生まれない。
どんなものでもいい。物づくりを仕事としている人にとって、この本に書かれていることは、とても切実なことばかりだ。そして、「電子書籍よりも紙の本のほうがいいわあ」とおっしゃる方々には、「そんなことは百も承知。だけども、作家が楽しい売ってまで紙に執着しなきゃならない現状を見てくれ」と言いたくなる。
この本を出版したあと、佐藤秀峰は自らの浮気による離婚、そして、2013年末には脳梗塞で倒れるなど、「ややこしい人」の面目躍如とでも言うべき状況である。漫画の内容もご本人についても、好き嫌いはあるだろう。でも、この『漫画貧乏』は一読に値すると僕は思う。

 - コミック, 世間話

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